イチゴ農家の味方『ベリーマース』
私たちが提案する資材・菌製剤『ベリーマース』は、通性嫌気の枯草菌と偏性嫌気の酪酸菌で砂糖を発酵させてあり、培地の好気域から深部の嫌気域まで活動します。
2024年現在、和歌山県で植え付け後は無農薬化に成功したイチゴ農家様が拡散中です!
ベリーマースの特徴
イチゴ無農薬・省力化を目指す農業資材・菌製剤ベリーマースの特徴をご紹介します。
葉面洗浄で炭疽病の蔓延防止
罹病苗での激発に葉面洗浄で蔓延防止が出来た事例があります。
葉に飛来し付着した菌の胞子を、バイオサーファクチンと言われる酵素で洗浄し発病を防ぎ、また菌の出す生理活性酵素が植物本来の対応力を引き出して耐病性を強めます。
微細化した培土と腐敗物を通性嫌気菌で分解
繊維質は経年変化による分解で微細化してしまい、培地の深部にある通常の好気性糸状菌では分解できなくなってヘドロ化、腐敗のおそれがあります。
ベリーマースを投与することで無酸素でも働く菌が入るため、微細化した繊維質でも腐植化します。
※ 有機繊維質培土を使用した場合の実績
※ 当社配合培土(エイジドココ+腐葉堆肥主体)を同時に使用した場合の実績
微細化物は腐植として利用し培地を肥沃化
従来ではコスト要因だった微細化物の腐敗成分。
ベリーマースを使うことで、腐植の供給源として積極的に利用でき、高設培地と土耕培地との差でもあった腐植利用が可能となります。
さらにベリーマースは堆肥の積極的な利用を可能にし、土耕栽培にも負けない肥沃化が狙えます。
※ 有機繊維質培土を使用した場合の実績
※ 当社配合培土(エイジドココ+腐葉堆肥主体)を同時に使用した場合の実績
培地の無耕起・無消毒・継続使用を可能に
ベリーマースは繊維質に対する強い分解力を持つので、栽培終了後のクラウンから上部を除去するけで培地を継続利用しても、残根を次作までに処理できるので、消毒無しの継続した植え付けが可能となります。
※ 当社配合培土(エイジドココ+腐葉堆肥主体)を同時に使用した場合の実績
※ 実証圃場6年間の試験栽培では、試験開始後、無耕起・無消毒・減量した分の継ぎ足しのみ。3年後からは栽培期間中、無農薬で経過しています。
苗植え付け前、根切虫対策としてダイアジノンは使用しています。
枯草菌について
ベリーマースを生成する際に使われている枯草菌(バチルス・サブチリス)の特徴をご紹介します。
- Bacillusu属で最も良く知られた菌種で、完全腐生とされ極めて安全性の高い菌。
- 特に粗大繊維質分解力が強く増殖スピードが速いので、フザリウムやピシウムなどの条件寄生糸状菌に対して優先増殖し、条件によっては絶対的な比率までを下げる。
- この菌群は、植物の細菌病害の抑制と生理活性作用のあるリポペプチド、トマトでの苗立ち枯れ病抑制などの抗生性が発表されているイチュリン A (iturinn A)、合成界面活性剤に比べ極めて強力な界面活性脂質を分泌し、カビ類の細胞への付着で水分を過剰浸透させ、膜を破裂させて物理的効力でカビを殺すと言われるバイオサーファクチン (surfactin) 等を産出。
また、②と③の共同効果で、多くの糸状菌や一部の細菌類の病気への大きな対抗性。 - 異種の土壌腐生微生物と競合せず共存して、他の有用微生物・自由生活菌・腐生菌の増殖を促進し菌叢の重層重厚化による耐病性土壌化をする。
- 通常は好気性だが通性嫌気のものもあり , 通性嫌気のもの は分解に際し , 亜硝酸・ 硝酸呼吸で亜硝酸塩を還元するので亜硝酸ガスを発生せず、インドール・スカ トールなどの悪臭物質を出さない。たい肥やボカシ作りに際し均一化以外の切り返しは不要。
- 納豆菌に対し、繊維質分解能力は大きく、ビタミンを必要とせず増殖するので圃場での連続的使用が可能。
- 参考
・分解酵素 ( セルラーゼ – 繊維・プロテアーゼ – 蛋白・アミラーゼ – 澱粉 ) の生産力が強く、分解力が高い菌とされ、ブドウ糖・麦芽糖・庶糖から有機酸・アミノ酸・ビタミンB群やUGF(未知発育促進因子)を生産。
・グルタミンソーダ、甘味料など化学調味、洗濯洗剤 ( 蛋白分解酵 ) 台所消臭剤等酵素製剤の生産、医療用では抗真菌剤(水虫等糸状菌)に使用。
枯草菌と病原性真菌類(糸状菌・こうじ菌)の性質について
- 枯草菌の性質
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動植物への安全が認められている完全腐生生活菌で、近年は植物病原への拮抗作用の研究も数多くあり、医療用にも開発研究されている菌です。
- 枯草菌と糸状菌の関係
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納豆が日本酒醸造で杜氏やその他の作業者にもには禁忌なのは、糸状菌と同族の麹菌に対しての影響力と3~10倍の増殖力があるからです。枯草菌はこの納豆菌と同類なのです。
- いちごの病気と糸状菌の関係
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植物の病原菌の4分の3は糸状菌が原因とされ、いちごの場合、炭疽病・灰色かび病・うどんこ病・萎黄病・疫病・乾腐病・輪斑病が糸状菌による病気です。
- 菌の増殖モデル
-
枯草菌は、真菌類の糸状菌酵母に対し圧倒的なスピードで優先増殖して生育圏を占拠、エサになる物質も先取りして糸状菌増殖を抑えます。
納豆はこのスピードがあるので一晩で作れるのですが、甘酒などが数日掛るのはこのスピードの違いによるのです。
下表は真菌類である紅麹カビ・酵母菌と、枯草菌の増殖スピードの比較表です。
時間 | 紅麹カビ(360分/回) | 酵母(90分/回) | 枯草菌・納豆菌(30分/回) |
---|---|---|---|
開始前 | 1 | 1 | 1 |
30分 | 2 | ||
1時間30分 | 2 | 8 | |
2時間 | 16 | ||
3時間 | 2 | 4 | 64 |
8 | 512 | ||
6時間 | 4 | 16 | 4096 |
32 | 32,768 | ||
9時間 | 8 | 64 | 262,144 |
128 | 2,097,152 | ||
12時間 | 16 | 256 | 16,777,216 |
ベリーマースの枯草菌作用を活かした病気対策
- 1. 拮抗作用
-
近年、枯草菌の拮抗性の作用が数多く研究・発表され認められていて、生物農薬製剤として発売されているものもあります。
- 2. 土壌環境管理作用
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枯草菌の特徴である粗大繊維質分解能力によって、有用な有機酸ビタミン(アミノ酸など)を作り、良好な腐植を供給して寄生をしない自由生活菌の種類と数を増やし、病原菌を殺すのではなく、その相対数を発病域にさせないようにする作用が期待できます。
ベリーマースは、病原菌を殺したり病原菌と拮抗したりする製剤ではなく、植物の耐病性をアップさせる製剤です。
主に黒糖を枯草菌で発酵させて生成される酵素液です。納豆菌ではなく枯草菌を使うのは、納豆菌は増殖にビタミンB7が必須なのですが、圃場では難しいためです。
- 定期的に根圏に潅水することで、水枯死根を分解して新根の成長を促すことができます。
- 葉面に散布することで、付着した病原菌胞子類を洗浄して病原菌の活着を防ぎます。